2017.2.10

全身タイツとコーディネート 神尾晶 個展「エントリー」

暦のうえでは もう春だと言っても、まだまだ真冬の寒さが続いていますね。
お久しぶりです。むさび生ライターの早川です。今年も注目の展示などをご紹介します!


神尾晶 個展「エントリー」

さて、2017年最初に私がご紹介するのは国分寺市のギャラリー「switch point」さんで開催中の神尾晶さんの 個展「エントリー」。

神尾さんは愛知県立芸術大学を卒業し、絵画作品を中心に活動しているアーティスト。大々的に行う個展は、今回が初めてだそう。ギャラリーのなかには、軽やかな色彩の絵画作品が並びます。
何点か、気になった作品についておたずねしました。

『悲劇』 2017  oil on canvas

ギャラリーに入ると、まず真正面にみえるこの作品。
弧の連なりがお花のようで爽やかな印象が飛び込んできます。そこに赤色や鋭いグレーの形がピリッと効いていてずっと観ていられそう。
絵の左側の青い馬の脚のような部分を「青いタイツを履いているみたいだね!」と神尾さん。

しかし、こんな穏やかな雰囲気にも関わらず タイトルは『悲劇』。一体なぜ、どうしてこのようなタイトルをつけられたのか。タイトルを知ったあとだとまた作品の見え方が変わります。
ピリッと感じた赤色やグレーが冷たくぶっきらぼうに。
さらに馬の脚のような部分はぐんぐん上に伸びているようにも、下に流れ落ちているようにも見えて、ぐるぐると不安そう。

『エントリー』 2016  oil on canvas

続いてこちらは個展のタイトルにもなっている、今回のメインの作品。
描かれているものは…耳とオレンジ色の正方形。
ちょうどキャンバスの上半分に収まった特徴的な構図や、ぴったりとくっついた耳と正方形に、不思議な空間を感じます。
ガチッとしたイメージの正方形がどどーんと描かれているけれど、堅苦しさや窮屈さを感じません。むしろ、ふわふわゆらゆらとした印象を受けました。
むむむ、なんとも言えないバランス。

[写真左]『板(アルミ、短)』2017 ミクストメディア
[写真右]『板(木、玉)』 2017 ミクストメディア

絵画作品の他に、立体作品も並んでいます。机のうえに乗っている様子が、なんとも可愛らしい。もしも、この作品を自分の部屋に置くとしたら…と想像がふくらみます。
立体作品は絵画作品とは違い、様々な異なった素材を選び 組み合わせる即興性から、服をコーディネートする感覚に近いそう。
絵画作品は1枚のキャンバスに1手1手つくりあげるため「絵は全身タイツだね」とも(笑)

そう!今回のブログタイトル「全身タイツとコーディネート」。
一体なんのこと?と不思議に思ったのではないでしょうか。実は、絵画作品と立体作品のことを例えていたのでした。
1枚のキャンバスの上で、1手1手慎重に微妙なバランス探る絵画作品は、頭の上から爪先までぜ~んぶ同じ素材の「全身タイツ」。
様々な素材を組み合わせる立体作品は、クローゼットから服を選んで合わせる「コーディネート」。全身タイツだけで外に出ようと思ったら、悩みますね…1色だけのままいくか、なにか色をのせるか、ちょっと背中に線をひいてみる?でもそうしたら脚にもなにかアクセントを…。
神尾さんの例え話をきいて、そんなことを考えてしまいました(笑)
神尾さんの個展では、今回ご紹介した作品以外にも素敵な作品がたくさん。ぜひ、行ってみてください!

神尾晶 個展「エントリー」

会期 2017年2月2日(木)〜2月18日(土)
時間 11:30 – 18:30 火曜水曜定休
場所 switch point
〒185-0012 東京都国分寺市本町 4-12-4 1F
JR中央線 西武国分寺線 西武多摩湖線 国分寺駅下車 北口より徒歩約3分
WEB http://www.switch-point.com